電動の介護用ベッドは、寝ていては衰えてしまう機能を体を起こして座ることで活性化させ、気力や体力の回復につなげることができます。腹筋が弱く自分では起き上がれない人でも、自動的に背が上がれば姿勢を保ったまま上体を起こせ、車いすへの移動もよりスムーズになります。何か支えがあれば起き上がれる人にとって背上げ機能はとても有効です。また、高さを調節する機能があればベッドからスムーズに降りることができます。
背や足を上げることで体位を変えたりおむつの交換がやりやすくなります。高さの調節 ができればシーツの交換も楽にできるようになりますし、ベッドの下の掃除もやりやすくなります。ベッドの床板が左右に傾斜し寝返りを打てるようにサポートする寝返り支援タイプのもの、背部と座部が回転し、自分で体を起こしてベッドへの乗り降りができる自立タイプのものなども市販されています。
自力で寝返りが打てる人には、腰痛などにもよく、起き上がりやすい硬めのタイプ、寝返りが打てないなら中くらいの硬さのタイプ、寝たきりで辱瘡防止の必要がある場合は、柔らかめで一箇所に圧力が集中しにくいタイプが適しています。それぞれの特徴を知った上で選びましょう。
当人やふとんがベッドから落ちるのを防ぎます。ここに便利だからと必要な小物や袋をぶら下げたくなりますが、背上げ機能を使うときなどに引っかかってしまいます。危険でもありますからサイドレールからは物をぶら下げないようにしましょう。
つかまると寝返りや立ち上がり、車いすへの移乗などに便利です。ふだんから手や指を動かして拘縮を防ぎ、柵などをしっかり握れるようにしましょう。
辱瘡や拘縮などを防ぐには、一定の時間ごとに寝返りを介助したり、手や足の位置を正すことが必要です。介助者の負担を減らすために、エアマットや自動的に体位変換ができるベッドなどを上手に活用しましょう。特殊布を加工し、端を引っ張るだけで体位変換ができるマットなども販売されています。