●有料老人ホームは、主に民間事業者が運営し、高齢者に配慮された住宅です。介護や
食事、家事や健康管理といったサービスがついています。入居費が高額というイメージ
がありましたが、平成12年に介護保険制度が導入されてからは、介護保険のサービスが
期待できることから、その数は急増しました。金額もリーズナブルなものが増え、一時金
タイプだけでなく、月額払いのタイプも増えました。
●有料老人ホームにはいくつかの入居条件があります。主な入居条件は以下の通りです。
@60歳以下は入居できない。
ホームによっては65歳以上、70歳以上などの取り決めがあります。
A健康状態によって入居できない場合がある。
介護専用型は、要介護1以上の介護者用。自立型は入居時には介護の必要でな
い人用。介護・自立併用型は、入居時の介護状態は問わず受け入れてくれるホー
ムです。
B住民でないと入居できない場合がある。
【有料老人ホームを選ぶ際のチェックポイント】
@入居金のチェック
入居金とは施設に入居が決まり、契約を交わす際に発生する金額のことです。
<入居申込金>などの居住権とは関係のない金額は基本的には返金されません。
<利用権><前払い施設利用料>などの居住権を獲得するための項目と<介護
一時金>(介護保険適用外サービス費用のため)などの金額については償却期間
が設けられています。これらの償却期間・償却方法・初期償却の割合などによって、
毎月の金額や途中退去の返金額が大きく変わってきますので注意が必要です。
A月額利用料のチェック
月額利用料には概ね家賃、管理費、食費、水光熱費、介護にかかる費用などが含ま
れます。しかし月額利用料の項目に基準はありません。特に管理費に含まれる項目
はホームによってまちまちですので、必ずその内容を確認するようにしましょう。
B立地・周辺環境のチェック
入居する人がそこで暮らすことを、入居者のみならず家族もしっかりとイメージして立
地のメリット、デメリットを洗い出すことが重要です。散歩や買物に便利な場所かもチ
ェックしましょう。
C建物のチェック
最近はコンバージョン(用途転換)型といって企業の独身寮などをリフォームして有料
老人ホームとして新規にオープンするところが増えてきました。建物取得にかかる金
額が少ない分入居費も低く設定されていますが、設備面で不都合な部分も見受けら
れることもあるのでチェックが必要です。
D介護体制・介護サービスのチェック
有料老人ホームを選ぶことは『介護サービス』がついた『自宅』を選ぶことであり、ど
んな介護サービスを受けられるかはとても重要な問題です。有料老人ホームのトラ
ブルで料金の次に多いのが介護サービスに関することです。しっかりとチェックしまし
ょう。
E医療機関との連携チェック
有料老人ホームは「住まい」であり、医師は常駐していません。そのため、基本的に
はホーム内で病気の治療などの医療を受けることはできません。主に健康管理サー
ビスと緊急対応がホーム内で受けられる医療サービスとなります。通常は複数の医
療機関と協力関係を結んでいますので、医療機関名だけでなく、診療科目、場所、協
力内容なども必ずチェックするようにしましょう。
F認知症ケアのチェック
人口の高齢化に伴い、認知症高齢者も急増しており、認知症ケアは有料老人ホーム
でもニーズが高い緊急課題となっています。しかし認知症ケアについてはまだ十分
な体制がとれていないところも多く、試行錯誤をしながらケアを行っているようです。
したがって、現在そのホームに認知症の方が入居しているか、今まで認知症ケアの
経験はあるか、どの程度の認知症だったのかを確認しましょう。
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