介護を長くつづけるには要所要所にストレス発散の場を設けることです。それがなければ、自分を追い詰めてしまうだけです。
私自身の経験を振り返ると、実母や義母の介護のときは、この「ストレス発散」が下手だったように思います。その分、そのあとの反動たるや、すさまじいエネルギーでした。実母が亡くなったあとは、やたらと元気にあちらこちらを動きまわっていたし、義母が亡くなったあとは、講談師にまでなってしまったのですから。
その後、さまざま人生経験を積んだせいでしょうか、今回の介護では、ストレス発散がかなり上手になっています。
たとえば介護がスタートしたばかりのときに、娘とよくやっていたのが、ウィンドウショッピング。それも、青山とか原宿とか高級感のあるオシャレな街に行くのです。まったく別世界へ行くことで気持ちが高揚し、介護の現実を忘れることができます。
ただし、高級なお店でウィンドウショッピングをしていても、実際に買い物ができないので、そこでストレスがたまります。そこで、今度は100円ショップです。100円ショップなら、たくさん買っても金額はたかがしれています。そこで、気に入ったものをいろいろ買うことで、気持ちがかなりすっきりしました。
(「ふまじめ介護」 田辺鶴瑛 主婦と生活社)
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